指しゃぶりの原因

先日1歳半検診に行ってまいりました。一番多かった質問に対してお応えします。
1. 指しゃぶりの原因
- 安心感を得るため
赤ちゃんや幼児にとって指しゃぶりは、自分を落ち着かせたり、安心感を得たりする自己慰撫行動の一種です。眠る前やストレスを感じたときに見られることが多いです。 - 歯の生え始めによる刺激
歯が生える時期(生後6か月〜1歳半頃)は、歯茎がムズムズするため、それを和らげる目的で指をしゃぶることがあります。 - 習慣化
最初は自然な行動として始まりますが、繰り返すことで習慣となり、癖として定着する場合があります。
2. いつまでにやめたほうがいいか?
- 3歳までを目安に
多くの子どもは3歳頃までに自然と指しゃぶりをやめることが多いです。この頃から社会性が発達し、周囲の影響で指しゃぶりが減少していきます。 - 4歳を過ぎても続く場合は要注意
4歳を過ぎても頻繁に指しゃぶりをしている場合、歯や顎の発育に影響を及ぼす可能性が高くなるため、早めの対策が推奨されます。
3. 指しゃぶりによる影響
- 歯並びへの影響
長期間続く指しゃぶりは、次のような歯列不正を引き起こすことがあります。- 開咬(オープンバイト):上下の前歯が噛み合わなくなる。
- 上顎前突(出っ歯):上の前歯が前方に傾斜する。
- 顎の発育への影響
指をしゃぶることで、舌の位置が正常でなくなり、顎の成長に悪影響を及ぼすことがあります。 - 口腔機能の発達遅延
指しゃぶりが続くと、舌や唇の筋肉の発達が妨げられ、将来的な発音や嚥下(飲み込み)に問題が生じる可能性もあります。
4. 指しゃぶりをやめるための方法
- 子どもの気持ちを尊重する
無理にやめさせようとするとストレスが増え、逆効果になることがあります。代わりに、自然と指しゃぶりを減らせる環境を整えましょう。 - 代替行動を提案
- お気に入りのおもちゃや絵本を与えて、指しゃぶりの代わりに手を使わせる。
- 歯固めや噛むおもちゃを渡す(特に歯が生え始めの時期)。
- 褒めて励ます
指しゃぶりをしなかったときに褒めるなど、ポジティブな強化を行いましょう。 - 就寝時の工夫
指しゃぶりは眠る際に多く見られるので、抱っこやぬいぐるみを抱かせるなど、安心感を与える方法を取り入れましょう。 - 専門家の相談
歯科医や小児科医に相談することで、適切なアドバイスや装置(指しゃぶり防止装置)を提案してもらえます。
結論: 指しゃぶりは自然な成長過程の一部ですが、長期間続く場合は歯や顎の発達に影響を与える可能性があります。3歳頃までに自然と減少しない場合は、4歳を目安に歯科医師と相談しながら対応を進めることが大切です。お子さんの成長に合わせて無理のない対策を行うのがポイントです!
皆様の健康をお祈り申し上げます。