50代女性「ご飯が噛めず今後が心配。笑顔が作れない」欠損している下の奥歯に人工歯根「インプラント」を埋入し、上の被せ物も白い「ジルコニア」で新しく作り直し、物がしっかり噛めて笑えるようになった症例
治療期間
通院回数
治療費
(内訳)
ジルコニアセラミック6本
ジルコニアの被せ物8本
インプラント6本+ダミーの被せ物1本
想定される副作用またはリスク
・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎等にかかる可能性があります
・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があります
・高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります
・治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります
・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります
ご相談内容
「ご飯が噛めず今後が心配。笑顔が作れない」とご相談いただきました。
カウンセリング・診断結果
拝見すると、下の奥歯7本(右の第1小臼歯/4番、左右の第2小臼歯/5番、左右の第1大臼歯/6番、左右の第2大臼歯/7番)が欠損しており、歯が生えていた土手状に盛り上がった場所「顎堤」の吸収が著しい状態でした。
上の歯も被せ物に隙間がある「不良補綴物」が多く、上下の歯が咬み合う時の基準「咬合平面」が乱れており、正常な咬み合わせに回復させるのは難しい状態でした。
患者様からは、「1998年頃に、下の奥歯は虫歯が大きかったため保存不可能と診断され抜歯した。その後、歯科医院を転々としながら入れ歯を作製したが、歯茎の痛みや心理的負担からあまり使用しなかった。2010年頃からインプラント治療を希望したが、骨移植もインプラント治療も断られた。歯がないためうまく噛めなくてストレスがある」と伺いました。
行ったご提案・治療内容
患者様がご希望されている人工歯根「インプラント」を埋入できるかどうか、「CT撮影」を行い確認しました。
その結果、短いインプラントを用いて、咬み合わせを回復させるのであれば、うまくいく可能性があることをお伝えしました。
患者様は「入れ歯はいくつも作製し、合わないことは分かっていた」とのことで、可能性にかけてご快諾いただきました。
インプラントを埋入する予定の下左右の奥歯とも、下顎にある神経までの距離が5.5mmと極端に短く、さらに神経の通る穴「オトガイ孔」が欠損部直下にあるため、骨を増やす「骨移植」が不可能でした。
そのため、輸入したストローマン社製の長さ4mmのインプラント「エキストラショートインプラント」を埋入しました。
上の歯は、根の中を掃除する「根管治療」の後に、全ての歯を白くて硬い材質「オールジルコニア」で治療をしました。
術後の経過・現在のご様子
下の歯にインプラント、上の歯にオールジルコニアの被せ物が入り、お口全体で物がよく噛めるようになりました。
患者様からは、「骨移植をせずにインプラント治療ができて良かった。20年ぶりに奥歯で噛めることが何よりも嬉しい。人前でも笑顔を作れるようになった」と大変ご満足いただけました。
最初の頃は、ヨーグルトや全粥などの舌でつぶせる食形態のものから肉、魚や生野菜といった常食へと変化し、体重も徐々に増えてきたそうです。
治療から5年経過した現在、状態は安定しており、メインテナンスが楽しみとご通院されています。
当院スタッフも、骨移植を避けながら初めて使用した4mmのインプラントに問題がないことを嬉しく思っています。
治療中
その他
治療前 インプラント埋入後 上下ともに被せ物が入った後 治療から5年後