40代女性 マルチブラケット装置とクローズドコイルを併用したスピード矯正で出っ歯と叢生を改善した症例
治療期間
通院回数
治療費
(保定装置含め)
想定される副作用またはリスク
・外科処置後に痛みが長引く場合があります。必要に応じ痛み止めを併用します
・治療中、装置によってまれに頬の内側が傷つき、口内炎になる場合があります
・歯の移動に伴って、違和感や痛みを感じる場合があります
・冷たいものを飲んだときに歯がしみる「知覚過敏」の症状が出る場合があります
・正しいブラッシングやメンテナンスを行わない場合、虫歯や歯周病のリスクが高まります
ご相談内容
「出っ歯なので横顔のシルエットが気に入らず、口が閉じにくい」とご相談いただきました。
カウンセリング・診断結果
拝見したところ、上の前歯は唇側に倒れて前に飛び出している「上顎前突」、いわゆる出っ歯だったため横顔の口元が前に突出しており、唇が閉じにくくなっていました。
また、上顎の横幅が前方に向かうほど著しく狭くなる「V字型歯列弓」という歯並びも認められます。
下の前歯は歯が並ぶスペースが不足しているため、歯が正常な位置からずれたりねじれたりしてガタガタに生えている「叢生(そうせい)」の状態でした。
V字型歯列弓や叢生の原因は、遺伝、口呼吸、指しゃぶりや舌を前に突き出す「悪習癖」などさまざまです。これらの要因によって、歯のサイズに対してあごの大きさが小さくなることで、歯が並ぶスペースが不足して前歯が正しく並びきれなかったと考えられます。
この状態を放置すると、見た目の問題に加え、歯並びの悪さが原因で歯ブラシがうまく当たらず、虫歯や歯茎が炎症を起こす「歯周病」のリスクが高まります。
また、噛む際に一部の歯へ過度な負担がかかり、歯の寿命が短くなるおそれもあるため、矯正治療が必要だと診断しました。
行ったご提案・治療内容
歯を正しい位置に誘導するスペースを確保するために、上下左右の歯(第1小臼歯)を1本ずつ抜いたあと、ワイヤー矯正と矯正治療用のバネ「クローズドコイル」を併用する「スピード矯正」を提案しました。
ワイヤー矯正では、歯の表面に接着した四角い装置「ブラケット」にワイヤーを通し、歯を動かす「マルチブラケット装置」を使用します。治療中の審美性を考慮して、前歯のブラケットは透明で目立ちにくいものを選択しました。
クローズドコイルは、バネの収縮力を利用して歯に対して一方向へ一定の力をかけ続けることができるため、一般的な矯正治療と比べて治療期間の短縮や通院回数の減少が期待できます。
治療方法について丁寧に説明したところ、患者様はスピード矯正を希望されました。
上下左右の歯4本を抜くと同時に、マルチブラケット装置とクローズドコイルを装着し、歯並びを整える「レベリング」を開始しました。
レベリングではワイヤーの交換や調整を行いながら歯の傾きを変えたり回転させたりして、それぞれの歯を適切な位置に移動させます。
この段階でクローズドコイルを使用することで、歯の移動を効率的に行うことが可能です。
月に一度、装置の調整のために来院いただき、2年半かけて上の歯並びの幅を広げながら、出っ歯や叢生の改善を目指しました。その結果、口元の突出感が解消され、口が自然に閉じるようになりました。治療後は、歯並びが元に戻らないようにするための「保定装置」を使用しています。
治療後は、歯並びが元に戻らないようにするための「保定装置」を使用しています。